2014年12月20日土曜日

地域と人の縁。おせちは美味しさよりも嬉しさがそこにあります

振り返ると2014年は、様々な分野での講座、講演、ワークショップの仕事をこなした年。
子どもさんからお年寄りまで、そして学校のボランティアから企業のコンサルティングまで依頼をいただき多くの方とご縁ができました。
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本日の講座「おせち」を進めながら思いました。
1年で最も重要な節句である、元旦にいただく料理のおせちは「その年の暮らし方そのもの」です。
春、雪解けが早くて採るタイミングを逃してしまった山菜のこと。
空梅雨と夏のじめじめでタイミングが難しかった、かんぴょう干し。
深山の仕事のお陰で、たっぷり拾った胡桃。
栗や柿が豊作だったなぁ〜とか、いただいた大蕪で千枚漬けの作り方を習ったこと・・・などなど、年末の料理の素材は思い出がつきません。
そして皆さんも、その年のお付き合いによって、食べ物のいただきものが変化したりしませんか?
田舎は特にそうなんだと思いますが、私はそれこそがおせちだと思います。

自分や家族がこの1年どのような暮らし方をしてきたか、お付き合いを大切にしてきたかを、歳の瀬に料理作りで振り返ることができる。これは主婦の役得です。

料理屋さんや専門家が作るおせちは豪華で美味しいものですから、忙しくて用意できないかたはご利用ください。但し、少しでも家の手作りのものをそこに加えてて欲しいと言うのが私の考えです。
メニューには、自分が好きなもの、家族の喜ぶものを入れましょう。それによって変化していく日常と家族、地域との繋がりを見つけ易くなります。

本日は、普段料理を作らない方のために、最低必要なタイムスケジュールや調味料のリスト。定番のおせちの手順に加えて、妙高らしさと村シェフらしさをプログラムに盛り込んでみました。
  • 郷土料理のサメの煮こごりは、トヨ型に入れて。
  • 大量生産ではできない煮菜の作り方。
  • 鶏肉ロールはハムのようにマリネしてから合理的に蒸して作ります。
  • 黒豆はシワの寄る、昔ながらの味のレシピを紹介(これは関東風らしいです)
  • サーモンのナマスや、テリーヌ風かまぼこ。お得意の塩鮭の頭の昆布巻き。 などなど。
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おせちは、家に伝わる伝統を作り続ける必要は無いと思います。
一生懸命暮らしてきた1年を大切に、自然に身の回りにあるものと、自分の作りたいもの。家族の喜ぶもの。そしてお客様に喜んでもらうものを作りたいと思います。
そして昨年のおせちはどうだったかな?と振り返り、家族がどう変わって行ったか(旅だった人、仲間入りした人…)思いを巡らすためにも毎年作り続けたいものです。
写真に撮って他人とシェアは二の次で・・。

「1年の計は元旦にあり」と言いますが、私はこう解釈するようになりました。
おせちは1年を振り返るためにあって、その成果物ではないかと。
そして新たな1年で最も大切な元旦に手作りのおせちを家族で囲みながら、「この1年はこんな年にしたいね」と思いを語る。
忙しくて出来合いのもので済ませた時は、一生懸命仕事をした年なのでいつか充実した時代(とき)がやってくに違いないと思います。
地域や人との繋がりの多い食材で囲まれている時は心から感謝でき、幸せに思えます。
そして創造的な今年の計画を企てます。
するとおせちは1年で最も大切な料理、と考えることができませんか?

こんなおせち作りに、3か条を考えました。
1.自分らしく作る。
2.家族やお客様の事を思って作る。
3.昨年を思い出しながら作る。

何の強制力もありませんが、以上が私が伝えたいメッセージです。

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