2013年8月22日木曜日

「なぜ◯◯の理由」…なぜ美味しいの?なぜサンドイッチなの?

あの人と食べたあの時の料理が忘れられない。
そんな大切な思いでがあなたにはあるでしょう。
その中でも、美味しさが忘れられないものを思い出してみてください。それはなぜ美味しかったのでしょうか?

私はもう計算できないくらい、大勢の方と料理を一緒に作り、一緒に食べてきました。同じ料理人であっても、料理屋さんではあり得ない光景ですね。
実は私にとって、美味しさが忘れられない料理のいくつかは講座で作った料理です。プロが作った訳でも、店で食べる商品でも無い物がなぜ美味しいのか?
理由を一つお教えしますが、それは緊張感です。
皆さんは、普段緊張して料理を作る事がどれだけありますか?

私の講座では、(途中は"ふふふん"のノリでも)最期は美味しい物を食べてやろう!そんな空気がみなぎっています。そして材料と作り方が見えているので嘘はつけません。やり直しが利かないうえに、相手はプロの料理人ではありません、子どもの事もあります。
それでも美味しい物を体験していただくという意気込み。
参加者は普段と違う手順に戸惑い、見られたことが無い包丁さばに注目される。
そこに生まれる集中力、ということです。

指導する方も、作る方もこんなムードの中で、出来た料理が美味しくないはずがありません。
もちろん中には集中できないかたもいらっしゃいますが、それはそれだけの自己満足です。

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ところで本日の講座は「手が出るサンドイッチ」ということで、材料のこと、作り方含めて全て正直にお話しました。
「今回作るサンドイッチは手間がかかります。その理由を考えないで面倒くさいと思われるかたは、大量安価に出回っているものを買って食べるほうがずっと楽で、きっと食べ慣れた味付けで美味しく感じるでしょう。
・・としたら、大量加工品に含まれているモノも含めて肯定してください。」と。

「作るのは面倒で料理に時間を使いたくない」
「便利に買ったものに含まれる不安なものは許さない」
両方は求められない理由を作って知ってもらうこと。
今日のサンドイッチが美味しかったら、不安な添加物も、濃い味付けの調味料も不要。ということを舌で納得していただくこと。
これらによって家庭でも食事の作り手の心得について今一度考えてみて欲しいのです。

「工夫」は手抜きや言い訳のためにあるのでははく、難しいものを面倒に感じないようにするためにあるものです。
なぜの理由が解れば自然と身についていくものと思います。

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2013年8月17日土曜日

暑〜い日!という場面で遊びは主役となり得る

連日の猛暑のため、熱中症による死者の累計数がニュースにのぼる今日この頃。

昔のような暑さ対策は通用しません、そのため・・「エアコンを使いましょう」「塩分を補給して」などとアナウンスされる。
温暖化でこのような異常気象が起こっているとすれば、
各戸のエアコンの使用による電力消費の影響はどうなのか?
とか、あれほど減塩をうたっていた健康指導はどうなってしまったのか?とか、矛盾を感じている。

アウトドアで自然に親もうと言っても、昔のような抵抗力を持ち得ない今の若者が川の水を飲んだり、土を食べたり、虫がうじゃうじゃしているような環境にさらされて平気でいれるはずが無かろう。
災害による住環境の変化が、急遽訪れたりすることだってあるかもしれない。
資源が危機的になれば、自ら鍬を持ち、薪を集め、山菜や魚や動物を捕らえて食べることだって覚えていかなくてはならないと思うのだが、そんな人間の生命力を感じにくい世の中だ。

お盆を過ぎてもこの暑さ。私は冷房の部屋に閉じこもってデスクワークをしよう、など自分の都合の仕事はなるべく避け、労働効率の悪い時間帯はあきらめて早朝や夕方以降に集中してやることにして省エネルギーを実践しようと試みる。
日中の外出では必ず車に乗ることになり、エアコンを引っ切り無しにつけることになる。
それでもちょっとエンジンを止めると車内は高温になり、すぐさまエアコンをつける。そして涼しい店に入る。冷たい飲み物を買う。
こんな不経済で不健康な事を繰り返して環境がおかしくならない筈がない。
昔の人は自然に逆行するような事はあえてしなかったもんだが、そこいくと現代の無理やりさったら無い。

こんな暑い日の賄いは単純にかぎる。
しかも、なるべく負担なく栄養を取り込む事。
食欲の感覚も薄れてきているので、脳を刺激するように多少の遊びの組み合わせも、食べる人にとって嬉しいのではないか。即ちありものの5分クッキングのワンプレートだ。

 

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風通しのよい玄関の土間で、訪れた友といただくランチ=「脳に刺激のうどん」冷たいつゆをはったうどんに、モロヘイヤ、トマト、冷奴、なますかぼちゃ、たらこを巻いた卵焼き、チクワの蒲焼きをドンと乗せて。

金継(きんつぎ)の「3R」…最もおいしいのは3番目のR

野焼作品「みみポッポ」
展示中に誰かがかまって大事な3つのツノの内一つがとれて紛失・・がっかりし続けることおよそ5年。

ふと思いたった「金つぎ」これは良好!

http://farm6.staticflickr.com/5334/9525449709_9bb2475f17.jpg「みみポッポ」

破損部分を復元して漆と金で仕上げる。と言っても擬似漆ですが、直せば再び使えて(Reuse)、ゴミが減り(Reduce)、なおかつ新しい価値が生まれる(Revalue)という3倍美味しい仕事。

普通に出来上がったものには無い、切羽詰まった環境を乗り越えてきたモノのみ表現し得る 破天荒な姿 を美しく味わえるというもの。

 

 

という訳で、割れていた作品をかたっぱしから修復中。

http://farm6.staticflickr.com/5500/9528239246_e0a511117f_n.jpg 野焼作品(2010?)

http://farm6.staticflickr.com/5342/9528238456_083ff2f334_n.jpg 「トトチュー」..は雌だった(低温焼き締め 2013小濁窯)

http://farm6.staticflickr.com/5547/9525453149_844bdabc2d_n.jpg 2013未来窯作品(小濁窯)

http://farm8.staticflickr.com/7341/9525451741_4b205f8154_n.jpg 2013小濁窯(クルミ還元 高杯)

http://farm3.staticflickr.com/2813/9528234994_2fcf0bcc4c_n.jpg 濃赤の漆も(子どもの体験作品)http://farm4.staticflickr.com/3756/9525451105_b341440aa9_n.jpg (子どもの体験作品)

(子どもの体験作品)

2013年8月11日日曜日

自然と此処に・・タンドリーが運んだ一期一会(本格インド料理の回で)

料理が下手と感じている人はいませんか?
もしかして、センスが無いんじゃないのか?とか。
いえ、料理の基本は舌(味覚)ですから、誰もが平均的な感覚は持っているし、そう思っているあなただけが劣っているなんてことはありません。
ただ、感性は内から現れるものですから、絵や音楽を聞いて感動したり、美しいなぁと思ったりを養うと同じように、口に運ぶ物は良いものを選ぶべきです。

何が良いものか?答えの一つは「自然である」ということです。
ここにある食べ物がどうやって、何から出来ているか解らないものは自然かどうかを自分の責任で確かめる事ができません。家族に食べてもらうのをためらうのが普通です。
信頼のおける人が作ったものを食べるのもいいかもしれませんが、そんなことよりも自分で作ることです。
自分で作ると、今食べたものが何がどれだけ入ったかが解ります。そして徐々に求めて食べるものが自然かどうかが解るようになります。

自分で作るものは料理ばかりではありません。
道具だって、食する環境だって自分が作るんです。
それによって何が美味しいかが解るようになり、なぜ自然が大切か、偉大かが解るようになります。
そしてそのための努力をしなくても自然とある所に導かれて行くものだと思います。

人工的なものが駄目だとか、機械生産が悪いとか言っている訳ではありません。
自分のモノサシで選べるように、食べ物を考えて口に運ぼうということです。

本日のワークショップは偶然居合わせた日本の各地のかたと、友人、お世話になったかた、いくつかの家族が一緒になって、猛暑の妙高で思い出深いランチを刻みました。
私はずっと前からこの日に自作のタンドリーを持ち込もうと決めていました。

どれくらい前かな?・・・(笑)

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写真 3写真 2http://farm3.staticflickr.com/2835/9483052163_a755d267cd_n.jpghttp://farm8.staticflickr.com/7367/9483026107_f3a14615bd_n.jpghttp://farm3.staticflickr.com/2812/9485848884_1054de8b08_n.jpghttp://farm8.staticflickr.com/7455/9485823590_871f928e08.jpg

メニュー(手前から反時計回り):タンドリー料理/ナン、チキン、村シェフのシークケバブ・プローンマサラ(エビとひよこ豆のカレー)・パラクマサラ(ほうれん草のカレー)・野菜サラダ・冷たいチャイ