地域から人を取ったら何も残らない。私にとって平丸(ひらまる)はそんなところ。
スゲ細工や山の幸と言えば平丸の代名詞と言っても過言ではない。しかしその守り手も年々少なくなり幻となりつつある。
命は尽きても魂(気のようなもの)は受け継がれる。そんな地域に受け継がれた土地の魂を、食を通じて人に受け渡すこと、それが私の仕事である。
地域を守ろうとしてやる事業は意味不明な事が多い。誰から何を誰に繋ぐのかな?
形ある物しか見えないうちは時間をかけて人を育てて行くこと。先ずそれから始めるべきと思う。
毎年のように地すべりで補修工事が行われる生命道路を通って平丸に向かった。本日の仕事は、平丸の山ウドをキーワードに、山や山菜と触れ合いながら平丸地域の魅力を体験していただこうというもの。平丸の石田敏郎(としお)さん、セツさんご夫婦にお世話になった。
先ずは山を案内していただき石田さんの管理地内で山菜採りをさせていただく。
地域の公民館をお借りし、参加者全員で山菜料理を作り、一緒にいただく。
それはそれはおいしい。なぜか?
歩いたことも無いような山の農道の行き来に疲れたせい、
芽吹きの山々をバックに記念写真を撮ったうれしさ、
カマを持たされ夢中になってウド掘りができたせい、
地元の最高の山菜をその場で調理していただいたから、
違うんだな。これは参加した人にしか解らない答え。
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天ぷら(スイバ、ヨモギ、トリアシ、コゴミ、フキノトウ、コンフリー)、ギンブキ(ウルイ)、アズキナ、コゴミ胡麻和え、笹寿し(山菜、大根味噌漬け、シソ)、ウドやコゴミの入った山菜汁
石田さんの山菜畑
向こう谷の山肌。段々田んぼの名残という。
もぐさ観音と2000年の観音堂落慶法要での記念写真
会館地階にスゲ牛とスゲ馬。3年前からもぐさ観音の祭礼で引かれなくなったという
セツさんの指導でウドをキンピラに。柔らかいしかも採れたてだからできるいただきかた。
会館で参加者を囲んで石田敏郎さんとセツさん。
アズキナ(ササギナ)、雪消えの後に始めて食べられる青いもの。フキノトウや木の芽とは違った嬉しさがある。