雪が溶けてフキノトウに食べ飽きた頃つくしに少し出遅れてヨモギが生えてくる。
新井南部地域ではモグサと言う人が多いね、モグサとはヨモギの葉を繊維にしたものでお灸などに使うものの事だけど、夏の盛りにこれを採ってモグサ用に売っていた名残りだと思う。今でも細々とモグサ売りの習慣はあるようだ。
南部の平丸は田んぼが作りにくくその代わり山の幸の宝庫。下平丸では毎年4月18日は「もぐさ観音」という祭がある。初嫁さんが氏神様へお参りに行き、その名の通りのし餅にしたもぐさ餅を供えるという。採れたてのヨモギをサッと茹でて餅に突き込めば出来上がり。まだ芽のうちのヨモギなら繊維も柔らかくアクも少なく淡い緑色の餅が楽しめるので、一般的なヨモギ餅とは風合いが違う。
笹団子は越後の名産として有名である。
小豆あんをヨモギ餅で包んで、笹を2〜3枚使ってくるんでからイグサで縛って蒸し上げる。
笹の香りにヨモギの香り、繊維の食感を楽しむという、いかにもロハスで見た目にも可愛いおやつだ。 この笹団子に使うヨモギは一般的には乾燥ヨモギである。製菓用で安価で出回っているものは中国産が多いようで、色もよく出てそれらしい出来栄えになるのだが、やはりそこは自分で準備したヨモギを使いたいと考えてしまう。
笹団子に欠かせないのはもちろん笹。
その年の笹が収穫できるのが葉が固まってくる6月中旬で、生の笹を採って使うと香りが最もよいし、季節感が漂うので、そこが最も拘りたいところ。
ならヨモギもその時にと思うのだが、そこ頃には葉は固くなってアブラムシがつきやすくなる。春先のヨモギは笹団子にはアクも少なく繊維も柔らかい。ひょっとしたら上品過ぎるかもしれないのだが、手作りらしい風合いが滲んでくる。
私はこうしてヨモギは春の良い時期に採って冷凍保存をするようにした。
この笹団子の手作りの楽しさを体験していただこうと、今年、「奇跡のダンゴ」というワークショップを計画した。名前を見てピピッとくる方も多いだろう、そう、木村秋則さんの奇跡のリンゴをモジった。
このワークショップは、出来る限りの手作りでこの笹団子を作ってみようという試みだ。クライマックスは6月15日と16日、妙高山麓都市農村交流施設で行う。
普段、越後名産として食べている笹団子の作られ方など紹介しながら、米もその場で挽き、小豆を煮る所から始めるという2日がかりの笹団子作りを行う。
アクの出具合を確認して、半日ほど水につけたものをミキサーで細かくする。
▲そして小包装にして冷凍保存しておく。
笹団子作りの手始めはヨモギの処理を紹介した。次は笹取りを行う予定。
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