2013年6月16日日曜日

手作りの美味しさは食べた後にじんわり表れる(「奇跡のダンゴ」のワークで)

昔の農家はくず米も無駄にせず粉に挽いておやつにした。
6月頃、春から伸びた笹は程よく成長し香りもとても良い。田休みにそんな笹を採ってきて、近くに生えているヨモギ、道路端や斜面に生えているスゲを利用して見た目もかわいい笹団子を作り、自分たちの食べるものに手間をかける事を楽しんだのだと思う。

農に勤しむ暮らしでは、当たり前にある身近な材料を使って里山の自然を映し出す笹団子こそ、この時期最も楽しみな暮らしのイベントだったのではないか。
このごく当たり前の事が現代では特別なことであり、贅沢と呼ばれる。それが今後、幻や奇跡と呼ばれるようになってしまうなど、断じてあって欲しくない。

本日のワークショップが終了し、さぁ片付け。といったところの一枚。


笹団子やチマキを食べ終わった跡を眺めながら、「今のコンビニ弁当では同じような気持ちにはなれないな・・」としみじみ思うのである。

大量に出るプラスチックゴミは、この後どれだけの労力とエネルギーと時間をかけて自然に戻していくのだろう?
お金を出してゴミを買い、またそれを処分するために費用をかける。
「安くて便利」のために、大量に作って大量に消費させられる仕組み。
自ずと素材は全国各地からエネルギーを消費して集められ、それがいかにも価値があることのように見せかけられるが果たしてそうだろうか?
効率を重視して製造され、廃棄されるものにホンモノの美味しさは無い。私はそう思う。

4月のヨモギ採りに始まって、農家から分けてもらった小豆、地元のうるち米、もち米、近くの笹。そして今では珍しくなったオヤマボクチを突き込んだ笹団子。美味しさは食べた後にじんわり表れる。「今晩か明日の朝、きっと体調がいい筈ですよ」そう絞めて本日のワークを終了した。
--------------------------------------------

『奇跡のダンゴ』2013.6.14〜15 妙高山麓都市農村交流施設に於いて
話題の奇跡のリンゴをもじって、地産池消や健康的な手作りの食品の価値を知るワークを開催
●ヨモギの処理や、笹の使い方、保存の仕方、選び方など。”笹団子の元”に入っている添加物について。フードマイレージや地産池消について。

●上越産大納言小豆を煮る(1日目)

●鍋の奥に見えるのは私が育てたオヤマボクチ(通称ヤマゴボウ)。これを潰してヨモギと合わせ餅に突き込む。(2日目)

●米は妙高産のうるち米ともち米を施設に持ち込み、製粉する(1日目)

●チマキは一人3個、笹団子は一人10個。餅の加工は各自が行う

●出来上がった料理(2日目)
チマキ、三五八漬、イタドリの葉の上にニシンやゼンマイ・フキなどの炊合せ、天然の出汁と手作り味噌の味噌汁、きな粉、笹団子

0 件のコメント:

コメントを投稿